BitTorrentはpeerの中に1人でも回線の遅い人がいたら速度が制限される?
ちょっと長めに引用。強調は自分。
Hawley氏はさらに次のように論を進めた。BitTorrentを好む管理者が多いとは聞いたことがない。ユーザは、ピース単位で処理されることからBitTorrentがベストだと思っている。要望があるためディストリビューションやミラーリング管理者は応じているが、BitTorrentの短所についてユーザに周知するべきだ。
BitTorrentはなぜ有害か
元々は、複数のユーザが他人のダウンロード済みデータからダウンロードできるようにする、というのがBitTorrentの発想だった。これは、大規模なデータセットを持つがダウンロードの件数は少ないプロジェクトに適している。しかし、ボリュームが増えると、BitTorrentは「ばったり倒れて」しまう。クライアントはトラッカーに接続して次のセグメントの入手先を確認し、そこにあるもののチェックサムをチェックする必要がある。トラッカー自体が障害の発生ポイントとなり、ダウンロードのボトルネックとなる。BitTorrentにはミラーとダウンローダの概念がなく、すべてのユーザがその両方の役割を負う。これはまた、BitTorrentのいずれかのユーザが最大公約数になるということでもある。たとえば、大勢のダウンローダのなかに56Kダイヤルアップユーザが1人いた場合、このユーザのモデムから情報を得るために残りの全員が待たされてしまい、全員のダウンロード速度が大幅に低下する可能性がある。
BitTorrentは、誰にとっても複雑である。ミラーサイトでBitTorrentを稼働するために手動のセットアップ作業が増える、ダウンロード速度も遅い、BitTorrent全体をまともに稼働することは大規模なミラーサイトでさえ厳しい。
Hawley氏は、グラフを投影して、Fedora 8がリリースされた週の数値を示した。あらゆるソースにおけるBitTorrentによるFedora 8ダウンロードの総数は、kernel.orgミラーサイトからのBitTorrent経由ダウンロードの総数にほぼ匹敵した。Fedora 8関連のBitTorrentデータの実に25%がkernel.orgミラーサイトに由来するものだった。
ミラーリング管理者がBitTorrentのセットアップを主に手動で行う必要があることも、問題点の1つである。BitTorrentには、既存のトレントを自動的に検出して登録する機能もなければ、既存のデータからトレントを簡易に作成する機能もない。これを別にしても、データをチャンクに分けて配信するその方式はサーバにディスクスラッシングを引き起こす。BitTorrentは気味が悪いほど盛んにディスクをシークするため、主にクライアント側で、ミラーサイトから直接ダウンロードする方式と比べて400倍もの負荷をディスクに与える。
Webサーバーでは、sendfile()カーネル関数のみを使ってファイルを取り出し、送信する。BitTorrentの場合、ファイルは小さなチャンクに分割されるため、いちいちシークして配信する必要がある。BitTorrentが今後もミラーサイトをスラッシングし続けるようであれば、ミラーサイトはこの配信方式に参加しなくなるだろう、とHawley氏は警告した。
Linuxディストリビューションのリリースをピアツーピアで配信する必要性は認めるが、BitTorrentはその解答ではない、とHawley氏は結論付けた。
Ottawa Linux Symposium 2008総括 - SourceForge.JP Magazine
BitTorrent ってそんなに嫌われてるんだね。知らなかった。Wikipedia には日本語のほうも英語のほうもそんなことは書いてないなあ。